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安全保障関連法に反対する

愛知学院大学教員有志の声明

 

 私たち愛知学院大学教員有志は、第189回通常国会で審議され、9月19日未明に参議院本会議で強行採決され成立したとされる安全保障関連法に強く反対します。

 この法は、憲法第9条に違反する内容であり、若い人々を戦争に巻き込む可能性を格段に高めるものであります。愛知学院は曹洞宗系の学校法人です。曹洞宗は、1992年に先の大戦での戦争協力を反省した「懺謝文」を発表し、2003年にはイラク戦争反対の声明を発表しました。『梵網経』の第一不殺生戒では、仏の言葉として「なんじ仏子よ、自ら殺し、人をして殺さしめ、方便して殺し、(中略)殺の業あらん。乃ち、一切の命有る者にいたるまで、ことさらに殺すことを得ざれ」とあります。曹洞宗の開祖である道元禅師はこれを『出家略作法文』でそのまま引用されています。「殺すことなかれ、殺させることなかれ」という仏教の基本理念からみても、この法をとうてい認めることができません。

 さらに、例えば9月17日の参議院の委員会採決のあり方など、法案の審議の過程にも多くの問題があり、民主主義的手続きにのっとったものとは言い難く、この点においても容認することができません。内容にも手続きにも瑕疵があるこの法の速やかな廃止を求めます。また、憲法に違反したこの法を根拠とした海外での武力行使にも断固反対します。

 この法の審議の過程で、圧倒的多数の憲法学者をはじめ多くの国民から強い反対の声が上がり、歴代の内閣法制局長官や最高裁元判事や元長官なども「違憲」だと表明しています。こうした良識ある国民、専門家の意見を真剣に聞こうとしない安倍政権の反知性主義的態度に断固抗議します。

 私たちが8月5日に発表した法案の廃止を求める声明にも、多くの教員、事務・専門職員、学生、卒業生、保護者などの愛知学院大学の関係者が次々と賛同しています。法案の可決後も、今にいたるまで反対の声が止むことがありません。今後も、私たちは、大学内外の多くの人々と連帯し、この違憲の法律の適用を許さぬとともに廃止を求め、粘り強く活動してゆくことを宣言します。

 

                                 2015年9月30日

 

 

安全保障関連法案に反対する愛知学院大学教員有志の声明

 

 安倍政権は、多くの国民の反対を押し切り、安全保障関連法案を7月16日に衆議院で強行採決しました。その後も国民の間に広まる反対運動を無視して、参議院での強引な審議を続けています。

 これは、多くの憲法学者も指摘するように、日本国憲法第9条を踏みにじった違憲の法案です。もしも、このような法案が成立したら、自衛隊の活動範囲が格段に広がり、多くの若者が戦争に巻き込まれる危険性が高まります。1万人を超える在籍学生を抱える大学の教員として、この危険な法案が成立することを強く危惧します。

 私たちの大学では、曹洞宗の教えを尊重した教育を行っています。曹洞宗は、先の大戦で国策に迎合して戦争協力をしたことを反省した「懺謝文」を1992年に発表し、その精神を引き継ぎ2003年にはイラク戦争反対の声明を発表しました。「殺すことなかれ、殺されることなかれ」この教えの実践をめざして戦後は歩んできました。私たちの大学も、教育・研究を通じて、曹洞宗の理想の実現につとめてきました。このような理念にかんがみても、戦争を推進する法律の成立をけっして許すことはできません。

 私たち愛知学院大学教員有志一同は、このような安全保障関連法案に強く反対し、すみやかな廃案を求めて、ここに声明を発表するものです。

                                                        2015年8月5日

 

<呼びかけ人> (50音順)

飯野賢一(法学部 憲法学) 

伊藤秀憲(文学部 曹洞宗学)

伊藤雅之(文学部 宗教社会学)

河野敏宏(教養部 日本語学) 

下川玲子(文学部 日本思想史)

髙𣘺洋 (法務研究科 憲法学) 

蛸島直 (文学部 文化人類学) 

仲哲生 (法学部 憲法学)

 

(呼びかけ人、賛同者の合計124人、2016年2月5日現在)

 

 

 このホームページでは本学教員に賛同を呼びかけておりましたが、嬉しいことに、卒業生や聴講生など、その他の立場の方からもご賛同の意向を受け取っております。他大学の例にもならい、このような方々のご意向を尊重すべく、「卒業生などの賛同者」のリストを設けることになりました(2015年8月18日)。さらに呼びかけ人の承認を得て、本学に関係するすべての方々に広く呼びかけることにいたしました(8月22日)。

 

 この声明に賛同いただける本学教員ならびに本学関係者(卒業生、聴講生など)の方は、「署名する」ボタンを押してフォームに必要事項をご記入の上、送信して下さい。​​ご協力、どうかよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 
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